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リチウムイオン電池とは?

リチウムイオン電池が実用化された当初はgoodenough、水島らによって開発されたコバルト酸リチウムが使用されていた。 しかしながら、コバルトはレアメタルのため、①マンガン酸リチウム、②ニッケル酸リチウム、③三元系、④オリビン鉄などが使用されるようになった。 その他にも下図に示すように、種々の正極材料が使用されている。

各正極材料について説明していきます。
(1)コバルト酸リチウム LiCoO2
(2)マンガン酸リチウムLiMn2O4
(3)ニッケル酸リチウムLiNiO2
(4)三元系LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2
(5)オリビン鉄LiFePO4
(6)硫黄
(7)今後の展開
(8)リチウム過剰正極

(1)コバルト酸リチウム LiCoO2

再現性よく合成でき、容量、サイクル特性、レート特性のバランスがよい。ほとんどの電池メーカーが民生用に使用していた。 理論容量:170mAh/g (4.2V 充電時 0.5 mol のLiを使用)
日本化学工業、日亜化学工業、本荘ケミカル、田中化学研究所などが製造。
関連論文:K.Mizushima, P.C.Jones, P.J.Wiseman, J.B.Goodenough:Mat. Res. Bull.15, 783 (1980)
コバルト酸リチウムは層状化合物であり下記のような構造(αーNaFeO2型)をしており、LiとCoO2が相互に層を形成したサンドイッチ構造となっている。

(a)合成方法
炭酸リチウム(Li2CO3)とCo3O4(または水酸化コバルト)を混合し、空気中にて800〜900℃で焼成する。 炭酸リチウムは揮発しやすいため、理論量よりも5%程度多めにいれるのが普通である。 また、コバルト酸リチウム焼成用のるつぼなどもある。 合成後、所定の粒子径まで粉砕する。

(b)電極作成方法
合成したコバルト酸リチウム粒子と、導電助剤として黒鉛、カーボンブラック、または炭素繊維、バインダとしてPVDFを混合し、NMP(N-メチルピロリドン)で粘度調整後、アルミ箔へ塗工する。乾燥機にて80〜120で乾燥する。 混合はビーズミルなどで行うことが好ましい。

(c)充放電条件
4.2Vにて低電流/低電圧充電する。4.2V以上で充電すると0.5mol以上のLiを利用できるが、構造が破壊される。

(2)マンガン酸リチウムLiMn2O4

層状型とスピネル型がある。 スピネル構造は下記のような構造であり(A:Li、B:Mn)、Liは三次元に拡散することができる。

コバルト酸リチウムと違い、 レアメタルを使用しないため、 低コストで合成できるため、電気自動車用には有望。サイクル特性も優れる。 課題は高温でサイクル試験をしたときに、マンガンが溶出すること。アルミニウム、マグネシウムなどの異種元素を添加して、スピネル構造を安定化するなどの手法がある。

日本電工が製造。

関連論文:マンガン酸リチウムを用いた高信頼性リチウムイオン電池
     リチウムイオン電池用スピネル型マンガン酸リチウム系正極

(3)ニッケル酸リチウムLiNiO2

コバルト酸リチウムと同様、α-NaFeO2構造をしている。 容量が大きいが、高温で酸素が脱離しやすく、結晶構造中の酸素が脱離して、発火や爆発を誘発するという課題がある。 アルミニウムなどを添加して改良されている。パナソニック、トヨタが好んで使用している。熱安定性と容量の関係からアルミニウムの添加量は0.15%程度が最適であるようだ。 LiNi0.8Co0.15Al0.05O2は200mAh/gと高い放電容量を示す。

戸田工業が製造。
(a)製造方法

M(OH)2 (M=Ni, Co, Mn)とLiOHを混合し、700〜800℃の酸素雰囲気で焼成することで得られる。

関連論文:高容量で安全性の高い リチウムイオン二次電池用ニッケル系正極材料

(5)オリビン鉄LiFePO4

基本構造は六方晶系であるが、格子歪により斜方晶系に帰属される。 LiとFeが二種類の八面体サイトのそれぞれを占め、Pが四面体サイトを占める。酸素原子がPと相互作用しているために、高温においても酸素が脱離しにくく、電池の熱暴走を誘起し難い。

電子伝導性、リチウムイオン伝導性が低く、実用化困難といわれていたが、MIT(アメリカ)が微粒子化とカーボンとの複合化を行い、実用化レベルに改良した。米ベンチャーA123で製品化された。 日本では住友大阪セメントが水熱合成法により合成し、エリーパワーへ供給。 ソニーも使用。

関連論文:A. Yamada et. al.: Advanced Functional Materials, 19, 395-403 (2009)
     鉄系リチウムイオン二次電池用正極材料の電気自動車への適用

(6)硫黄

硫黄を電池活物質として用いる検討は古くから行われてきた。硫黄の理論容量は1675mAh/gと高い。これは単位重量当たりの反応電子数が大きい為である。
エネルギー密度が高いが、有機溶媒、水系電解液どちらを用いても、硫黄の溶出が問題となる。正極に硫黄、負極にナトリウムを用いたナトリウム–硫黄(NAS)電池が日本ガイシーNTT共同で開発されているが、NAS電池の電解質は、電解質にβーAl2O3を用いているため、硫黄の溶出が問題とならない。

関連研究:
 「 還元雰囲気通電焼結プロセスを用いた高容量含硫黄複合正極の開発」竹内氏(産総研)
 (内容:硫黄の低電子伝導性を改善する方法)

Li-S電池の場合、実用化するには1)電池反応速度の向上、2)硫黄の電子伝導性向上、3)硫黄の電解液への溶出抑制などがあり、含硫黄ポリマーを用いる検討がなされている。 株式会社ポリチオンは新規硫黄含有ポリマーを用い、優れた硫黄電極を開発したとしているが、詳細は不明である。

(6-2)硫黄

近年、共役系スルフィドポリマー(豊田中研はこれを用いた電池を可変静電容量電池とよんでいる)が大きな容量(約1000mAh/g)を示すことから注目されている。これはポリアセン、ポリアクリロニトリルなどのポリマーと硫黄を500℃程度で焼成すると、特徴のある共役系スルフィドポリマーができる。計算される理論容量よりも高い容量が得られ、クーロン反応に基づく蓄電だけでなく、キャパシタライクな蓄電もしていることが提唱されている。電圧は低くなるので民生用には使用できないが、電気自動車用途等にはポストリチウムイオン電池として十分に検討する価値があると個人的には考えている。

(7)リチウム過剰正極

LiMO2のM (遷移金属)の位置をCo, Ni, Mnで置換した固溶体のLiNi1/3Mn1/3Co1/3O2やLiNi0.5Mn0.5O2、リチウムを過剰にしたLi2MnO3との固溶系正極は高い容量を示す。 この材料の特徴として
1)基本構造はα-NaFeO2構造であるが、Li層は不規則配列が存在する、
2)4.3V以上で充電することで容量が向上する

関連文献:伊藤ら、電気化学および工業物理化学 : denki kagaku 78(5), 380-383, 2010-05-05

現在、構造解明などが詳細に検討されている。

電池業界での転職

リチウムイオン電池の技術は元々日本が強い技術であり、日本の技術者はヘッドハンティングされて海外、特に韓国メーカーに転職することが多い。 著者もスカウトマンにあった事があります。 基本的に年収は増加、特に韓国に赴任すれば年収増加率が大きいようです。 「社長 島耕作」でも韓国のヘッドハンティングの描写がありましたね。 ノウハウをいかに持っているかが重要なので、研究開発者よりも、 生産技術、製造部門の経験が重宝されそうですね。

但し、下記のような事例もあり、韓国企業への転職はどうなのか・・・
LG化学の2次電池研究員に競争会社への転職禁止判決 - donga.com ...

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